十二章 闘技大会

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「これにはその、深いわけが………」 「その深いわけを聞いてるんだよ、ほら。話してみなよ?」 「その………変な男が凄く強い編入生がこの学園に来たって聞いたんだが何か知らないかって聞いてきて………その質問に答えたら、姿を借りるとか言ってその男が私そっくりになって寮の方に向かったから………」 「OKもういい。アレクシアの言う変な男なら私が疾うに撃退した。その変な男の部下に足止めされてたんでしょ?」 「ヨシムラ君………」 「でも勝手に入ったことと玄関吹き飛ばしたから有罪(ギルティ)。」パァン 「あいたっ。」 思い切りデコピンされて仰け反るアレクシア。 「か弱い女の子に何をする!」 「そのか弱い女の子の蹴りで私は足が折れたんだが。」 「ぐっ………。」 「あとね、か弱かったらパンチのぶつかり合いで相手の腕の肉が吹き飛んだりしない。」 「………。」 「師匠、その辺で。」 「………ごめん。言い過ぎた。」 「………じとー。」 「お詫びと言ってはなんだけど、夕飯食べていきなよ。ただ、四人分となると少し時間が掛かるから、ユイの相手をお願いして良い?」 「喜んで!さぁ、ユイちゃん何して遊ぶ?」 「七並べしようよ!」 「………姉さんの扱いが巧いね、師匠。」 「そうなの?………ラルフとアレクシアは箸使える?」 「え、唐突に何?使えるけど、それが何か関係するの?」 「いや、まあ………ね。ラルフも、出来上がるまでユイと遊んであげて。シリウスも交えて3人で七並べやってるみたいだから。」 野菜を切りながら答えを濁すエト。 「え?うん。………僕も混ぜてもらえる?」 「良いよ!」 遊ぶ3人と一匹を尻目に、適当な大きさに野菜と肉を切り分けるエト。 「水は………こんなもんで良いかな。後は具材を入れて煮込むだけ………。」 鍋に水を入れ、具材を入れて火をつける。 「そうだ、これ食えるかな?」 いつぞや引きちぎった触手を取り出し首をかしげる。 「パッと見タコっぽいしいけそうな気はするんだけど………。………………おろろろろろ」 端を囓った数秒後、口から胃液とかと一緒に吐き戻す。 「駄目だこれ有害物質だ。」 体液が有毒な時点で分かっていたことである。 十数分後。 「出来たよー。………何やってるの?」 何故か下着姿のアレクシアとラルフが体育座りで落ち込んでいる。 「ユイ、なんでこの状況になったの?」
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