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『バーンズ君の放った大技でステージが大破!対戦相手もKOされたようです!』
「終わりだな。」
踵を返し、ステージを降りようとするグレイの肩に矢が刺さる。
「嘘言っちゃいけませんよ、バーンズ様。………中るじゃ、無いですか………飛び道具。」
「それ以上やったら、死ぬぞ。今でも重傷なのに。」
「まだ………試合は、終わってません!」
刺さった矢を焼き捨て、向き直る。
「………じゃあ、お望み通り。≪バーナー・ダーツ≫!」
手にした大剣を放り投げる。数回転したそれが、柄頭から火を吹き宙を舞う。女子の体を貫き、標本のように磔にした。
『今度こそ決着!………って、おい、医療班急げ!』
「やりすぎだ、バーンズ。≪この手で掬う全ての命≫………不味いな、血が足りない。えーっと、増血剤増血剤。………私に出来るのはこのくらいか。医療班の方、後はお願いします。」
『はい、参加者がまさかの瀕死の重傷を負うハプニングがありましたが、舞台の修復が終わりましたので再開します!』
「ラルフ・グレイバックと「わーっ!」の試合を開始します。」
浅黒い肌の筋肉質な大男がラルフと向かい合って立つ。
「………格下とは思わん、全力で叩き潰す。」
「生憎と、僕はそう簡単に叩き潰されるほど弱くはないよ。群狼。」
「始め。」
「おおおおおおらぁ!」
「ギアセカンド!」
男の大振りな拳とラルフの鋭い拳がぶつかり合う。
一瞬均衡するも同時に弾かれ、互いに大きな隙をさらす。
「………やるな、獣混じり。」
「………イラつくな、そうしてあからさまに下に見られるのは。ギアサード!」ドゴォッ
「ぐ………おおっ………!」
強烈な後ろ蹴りが、易々と男を後方に下がらせる。
それだけではなく、大男に一撃で膝をつかせた。
「どうした、立てよ。あんな蹴り、大したことないだろう!」
その頃、客席。
「あーあ、対戦相手、地雷踏んだね。」
「………どうかしたんですか?」
「いやね?私が一時期ラルフに稽古をつけてたの知ってるでしょ?そのときに知ったんだけど、ラルフは獣扱いされるのが凄く嫌いらしいんだ。」
「要するに、どう言うことなのよ。それは?」
「獣混じりは、ラルフ相手には最大の禁句だ。」
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