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「この程度なら、怪我の内には入らんよ。それに、ただのパンチだと思ったら大間違いだぞ？」
「………ごあっ！？」ﾋﾞﾁｬﾋﾞﾁｬ…ｼｭｳｳｳｳ
盛大に吐血するｷｬﾝﾍﾞﾙ。
「感触から推するに胃は破裂しただろう。肋骨も損傷して、肺を傷つけているはずだ。………投了しろ、それではもう戦えまい？」
「嘗めるな………！≪火炎傀儡≫！」
全身から煙を上げながら、ふらふらと立ち上がるｷｬﾝﾍﾞﾙ。立つのもやっと、と言った素振りに反して、剣を握る手は力強い。
「そこまでして戦うか………先生。」
魔装を解き、魔武器を消して両手を上げその場に膝をつく。
「投了です。このまま続ければ、私は彼を殺してしまう。」
「………ふざけるな！爆魄斬・顎！」
4本の焔の斬撃がｱﾘｼｱを襲うが、氷の壁が突如現れ斬撃を阻む。
『そこまで。投了した相手に攻撃しちゃ駄目でしょ。私が防いでなかったら、ｱﾘｼｱ死んでたよ？』
「………ちっ。」
魔装を解き舌打ちするｷｬﾝﾍﾞﾙ。
時間が大幅に飛んで、個人戦決勝。
『はい、いよいよ決勝戦です！』
『誰が予想したでしょうか、対峙する両者が二年生の、しかも同じクラスの人間だと。』
「「俺達を推したのはお前だろうが、ﾖｼﾑﾗ！」」
『衝撃の事実！？』
『やー、私はﾗﾙﾌが勝ち上がると思ってたけどね。』
「あいつ………まあいい。やるぞ、ｷｬﾝﾍﾞﾙ。………ヴォルケーノ！」
「ああ、ﾊﾞｰﾝｽﾞ。………コロナ。」
『対峙する彼らの属性はどちらも火！果たして勝利の女神はどちらに微笑む！？』
『温度ならｷｬﾝﾍﾞﾙに、最大出力ならｸﾞﾚｲに分がありそうですが、魔装も加味するとわかりませんね。』
「外野がなんか言ってるな？」
「気にしなくていいでしょ。………出し惜しみはしない。≪爆裂魔装・連爆炎虎≫！」
「上等だ≪轟炎魔装・炎王獣降臨≫！」
向かい合って立つ獅子と猛虎。わずかなにらみ合いの後、ほぼ同時に動き出す。
視認できない速さで背後に回ったｷｬﾝﾍﾞﾙの首を狙った鋭い一閃。開脚してかわしたｸﾞﾚｲが肩越しに左手から火炎を放つ。爆音と共に後方に飛び退くｷｬﾝﾍﾞﾙ、斬撃を飛ばし反撃。ｸﾞﾚｲ、振り向き様に大剣を薙ぎ、三倍強の大きさの斬撃で迎え撃つ。ｷｬﾝﾍﾞﾙ、斬撃を一点集中の突きの連打で打ち破る。
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