十二章 闘技大会

31/57
前へ
/686ページ
次へ
『まだ全力では無いようですが、凄まじいぶつかり合いです!』 「いいね、なんでお前普段からこれだけやらねーんだよ?」 「ずっと全力だと疲れるだろ?………バーンズこそ、なんで抑えて戦ってる?」 「火力出しすぎて守るべき民を殺しちまうといけない。俺の強さは、領民を守るためにある。民を守る刃、それが俺達火の七大貴族の在り方だ。」 「………君は尊敬できる。だけど、相容れないな。」 「そうだな、分かりあえない。」 「だからこそ、倒さなければならない。」 「然り、だな。」 「勝つのは僕だ!連爆炎虎、昇華≪禁忌:砕光魔装・臨界白虎≫!」 「七大貴族の武勇を嘗めるな!炎王獣降臨、第二階層≪蒼炎魔獣王降臨≫!」 眩い光を放つ白虎と、蒼く燃え上がる異形の獅子。 二色の焔が、ステージを融かす。 『ああああステージがどんどん破壊される!』 『私達生徒会チームが出る度に盛大な破壊が起こるのがほぼ確定なのにこの上更に仕事を増やしてくれますねー。』 「爆魄斬・大蛇!」 「≪ラヴァブレード≫!」 蛇を象った焔の斬撃と溶岩の刃が激突する。 「っらあ!」 「疾っ!」ガギィッ 大剣を薙ぎ、上段からの切り下ろしを跳ね返すグレイ。 「ぜあっ!」 「ふんっ!」 距離を離すことなく激しく切り結ぶ。 「≪ブラストアロー≫!」 「≪ブルースパイン≫!」 放たれた焔の矢を同数の蒼い棘が打ち落とす。 「爆魄斬・啄木鳥!」 「効かん!」 高速での連続突きを、大剣を盾にして防ぐ。 「掛かった!爆魄斬・昇龍!」 「………アホか。魔力による焔なら、魔力の質と純度が威力を決める。仮にも七大貴族の嫡子だぞ?鍛練も欠かしたことはない。お前は間違いなく強いがな?このレベルの焔は俺には効かねぇよ。」 足元からの切り上げに伴い現れた焔の龍がグレイを呑み込むが、腹をかっ捌いて無傷で出てくるグレイ。 「………これはダメージを与えるためのものじゃない。」 「何?」 「次の一撃のための布石だよ。爆魄斬・雀蜂!」 腕が増えたと錯覚するほどの連続突きを繰り出す。 「手数を増やしたところで!火力が足りてねえんだよ!≪ヴォルケーノショット≫!」 焔を纏う高速での連続突きを掻き消し、巨大な火球が炸裂してアレンを障壁に叩きつける。
/686ページ

最初のコメントを投稿しよう!

105人が本棚に入れています
本棚に追加