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「でも、正直思うんです。
このままでいいかなって家に帰ったって
自分の居場所がない、だったらもう一生
足なんて動かなくていいから此処に居たい
ここが唯一俺の居場所なんです…」
「一輝くんそれはよくないわよ
ここには、いくらでも居ていいんだから
もう2度と足が動かないだなんて思っちゃだめ!」
「はい…ごめんなさい」
「分かればよろしい!じゃあまた明日」
夏菜子さんが部屋を出た後
我慢していた涙が溢れ出し声を出して泣いてしまった。
存在を許された場所が嬉しかった。
何よりも自分のことを応援してくれる人が
いた事に喜びを感じた。
そして、逆に寂しくもあった…
もう昔の大好きな家族には会えない
帰るべき場所もない
午後10:00消灯した病室、月明かりで
一輝の涙が反射した。
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