episode1【美術部の預言者】

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「はぁ…めんどくせ。チャッチャとやって帰るか。」 何故だろう一人の時に限って、無駄に喋ってしまうこの現象。 俺ってさみしいヤツっ…。 「もういい!帰る!家でやる!」 もう一度いう、俺以外誰もいない。 そう、ただの可哀想な奴状態だ。 まだ半分も終わっていないプリントを荒く鞄に入れて帰る支度をした。 部活の生徒も帰ったのだろう。所々真っ暗だった。 怖くないよ? 誰にいうわけでもなく、ただただ心の中でそうつぶやいていた。 もう少しで昇降口につく、そう思っていたら美術室がまだ明かりがついていたことに気づいた。 まだいたんだな俺以外に。 こうゆう時、人間ってのはどうして好奇心ってのが湧いちまうんだろうな。 ついつい、美術室のドアに手をかけて開けてしまった。 そこには不敵に笑った赤いワンピースをきた女が!!!……ってわけでもなく。 普通に美術部の部員がひとり残っていただけだった。 美術部の部員とわかったのはその生徒は俺と同じクラスの女子だったからだ。 話したことは無い。うん。 名前は確か、夏目さんだっけか。 「やっぱり…来たのね」
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