episode1【美術部の預言者】

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「はい?」 小声で聞こえなかったが何か言われたようだった。 「何でもない…それよりなぜまだ学校に?今何時か知ってる?」 「それはこっちのセリフだ、俺は学年委員の仕事をしてたんだ。」 結局その仕事も家出することにしたけどな 俺がそういうと、彼女は興味なさげにまた絵を書き始めた。 「おい、帰らないのか?」 「まだ、かき終えてないから」 かき終えてないからって…そんなに美術部の顧問って鬼畜なのか? くだらないことを考えていたら、彼女が書いたのだろうそれらしき絵があった。 その絵はどこかに似ていて男の女の方がかかれていた。 「これって…」 「そう、気づいた?これはここの絵よ」 彼女はそういうが、それだけじゃない。この男女……。 まさに今、この現状をうつしているかのような絵なのだ。 今、別な絵をかいているという事は…確実に俺が来る前にかいた絵だ。 気味が悪い。そう思った俺は、それ以上何も言わず静かにその場から立ち去ることにした。 昇降口につき、俺は自分の体の軽さに違和感を感じた。 「鞄…!まさか置いてきちまったのか…」 あの場から離れたい一心だったばかりに鞄など眼中になかった 黙っていなくなって今更戻れるわけがないか…。 「しょうがない、明日朝一に取りに行こう」
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