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「はい?」
小声で聞こえなかったが何か言われたようだった。
「何でもない…それよりなぜまだ学校に?今何時か知ってる?」
「それはこっちのセリフだ、俺は学年委員の仕事をしてたんだ。」
結局その仕事も家出することにしたけどな
俺がそういうと、彼女は興味なさげにまた絵を書き始めた。
「おい、帰らないのか?」
「まだ、かき終えてないから」
かき終えてないからって…そんなに美術部の顧問って鬼畜なのか?
くだらないことを考えていたら、彼女が書いたのだろうそれらしき絵があった。
その絵はどこかに似ていて男の女の方がかかれていた。
「これって…」
「そう、気づいた?これはここの絵よ」
彼女はそういうが、それだけじゃない。この男女……。
まさに今、この現状をうつしているかのような絵なのだ。
今、別な絵をかいているという事は…確実に俺が来る前にかいた絵だ。
気味が悪い。そう思った俺は、それ以上何も言わず静かにその場から立ち去ることにした。
昇降口につき、俺は自分の体の軽さに違和感を感じた。
「鞄…!まさか置いてきちまったのか…」
あの場から離れたい一心だったばかりに鞄など眼中になかった
黙っていなくなって今更戻れるわけがないか…。
「しょうがない、明日朝一に取りに行こう」
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