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「わ、悪かった。ありがとな
じゃ、じゃあ俺はこのへんで」
一刻も早く彼女から離れたい俺は、そそくさと教室に向かおうとするが彼女も俺についてきた。
「夏目……さん?です…よね。なぜついてくるのですか……?」
もう色々と怖くて敬語になってしまった。
「何故って、あなたと私同じクラスじゃない」
そ、そうだったぁぁ……
あぁ…この世は残酷だ…
「そうだわ、貴方にこれあげる。少しの気休めにはなるでしょう」
そう言われ差し出されたのは、1枚の紙だった。
「な、なんだこれ?」
「絵よ、これからあなたが体験することになる風景がここに描かれているわ」
どうやら俺が見てる方は裏側で何も描いていない方だった。
表にしてみると……。
「こ、これは…」
「安心して、死んではいないから」
描かれていた風景は男…おそらく俺だろう。俺が…階段から落ちている物だった。
「ふ、ふざけんなよ。こんな縁起悪い絵、いらねぇよ!」
「あらそう?でも心しておくことね、私の絵は絶対だから」
階段から落ちる……死にはしない?なんなんだ。
俺はさっきの恐怖とはうってかわって、彼女に少しの怒りを覚えていた。
睨みつける俺を、彼女は無視していつの間にか着いていた教室へ入っていった。
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