第5章 藁、革婚時代…その3・板挟み

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お母さんの顔色が変わった。 いい加減にお母さんも、ブチキレたのかと思ったら、晴子お母さんは、何と衿ちゃんに向かって、謝ってしまった。 晴子お母さん『ごめんね。衿ちゃん、悪かったね。 お母さん、これからは気をつけるからね。』 由起子『お母さん!』 私は、晴子お母さんを遮って、衿ちゃんに文句を言おうとした。 すると、衿ちゃんがまたもや、信じられないことを言った。 『お義姉さんが、家事や育児に慣れていないから、お義姉さんの家に行ったんだったら、私の家に来てまで余計なことしないで、いいでしょう!』 はぁぁ?! 何だ!それは? 私を手伝う為に、お母さんが、家に来ている? いつ、そうなったんだ? 仁と私が頼んでもいないのに勝手に転がり込んできただけじゃん! 聞いてねーよ!そんなこと! 冗談言うな! ブチキレそうになったのは、私の方だった。 由起子『私は、頼んでもない。』 衿ちゃんは、冷ややかな目で晴子お母さんを見ると、私の言葉も無視して部屋の中に入って、中から鍵をかけてしまった。 お母さんは、私にもバツが悪そうだった。 私は、私で腹が立ったが、雨の中、衿ちゃんに追い出されているお母さんを置いては、帰れない。 仕方なく、『車に乗って。』と言って、次の目的地だったお母さんの兄の家に行った。 けれども、私は、お母さんの兄弟には馴染みがない。 向こうは、幼い時の私を知っているのか知らないが、私には、その辺のオジサンより、多少馴れ馴れしい人という感じしかなかった。 そこで車の中で暫く晴子お母さんが、用事を済ませて出てくるのを待った。
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