78人が本棚に入れています
本棚に追加
/770ページ
お母さんの顔色が変わった。
いい加減にお母さんも、ブチキレたのかと思ったら、晴子お母さんは、何と衿ちゃんに向かって、謝ってしまった。
晴子お母さん『ごめんね。衿ちゃん、悪かったね。
お母さん、これからは気をつけるからね。』
由起子『お母さん!』
私は、晴子お母さんを遮って、衿ちゃんに文句を言おうとした。
すると、衿ちゃんがまたもや、信じられないことを言った。
『お義姉さんが、家事や育児に慣れていないから、お義姉さんの家に行ったんだったら、私の家に来てまで余計なことしないで、いいでしょう!』
はぁぁ?!
何だ!それは?
私を手伝う為に、お母さんが、家に来ている?
いつ、そうなったんだ?
仁と私が頼んでもいないのに勝手に転がり込んできただけじゃん!
聞いてねーよ!そんなこと!
冗談言うな!
ブチキレそうになったのは、私の方だった。
由起子『私は、頼んでもない。』
衿ちゃんは、冷ややかな目で晴子お母さんを見ると、私の言葉も無視して部屋の中に入って、中から鍵をかけてしまった。
お母さんは、私にもバツが悪そうだった。
私は、私で腹が立ったが、雨の中、衿ちゃんに追い出されているお母さんを置いては、帰れない。
仕方なく、『車に乗って。』と言って、次の目的地だったお母さんの兄の家に行った。
けれども、私は、お母さんの兄弟には馴染みがない。
向こうは、幼い時の私を知っているのか知らないが、私には、その辺のオジサンより、多少馴れ馴れしい人という感じしかなかった。
そこで車の中で暫く晴子お母さんが、用事を済ませて出てくるのを待った。
最初のコメントを投稿しよう!