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そして流されるまま浴室まで連れて行かれ、テキパキと配置を教えられる。
「分からなかったら呼んでくれ。服は…適当に用意しておく」
そこまで言えば透也さんは浴室を出て行ってしまった。
残された俺は少し悩んだけど、ここは素直に言うことを聞くべきかと渋々服を脱ぐ。
…でも、かえって良かったかもしれない。
勢い任せで来たから、どう伝えるかまで全然考えてなかった。
俺はシャワーを浴びながら、頭の中で整理してみる事にした。
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……………しまった。
俺のたりない頭では考えた所で全く思い付かない。
だって告白しようと…してるんだよな。
こういうのは初めてだから、どう言えば良いかなんて始めから分かるわけがなかった。
ヤベェ…さっきとは別の意味で緊張してきた。
頭が混乱しまくったけど、お風呂を上がり用意されていたバスタオルで体を拭き、服に袖を通す。
あれ…そういえばこれ、うちの学校のジャージだ。
一回り大きいってことは…自然と左胸の刺繍を見ると予想通り、透也さんの名前があって一気に顔が熱くなる。
ダメだ…自覚したらちょっとの事でも意識し過ぎてしまう。
早まる鼓動を抑え、大きく深呼吸をした。
とりあえず…落ち着け、きっとなるようになる。
よし、と意気込みバスタオルを頭に掛け、俺は浴室を後にした。
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