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予想だにしなかった質問に驚いて透也さんの視線を追うと…乳首の下に赤い痕が付いていた。
あれ?こんなトコ刺された覚えは……………あ。
孝に押し倒された時に感じた微かな痛み。
確かその辺だった筈だ…という事はもしかしなくても、この跡はまさか…!
「…!!!」
気付いた瞬間、顔が一気に熱くなる。
それを透也さんは見逃さなかった。
「…どうやら随分大きい蚊に刺されたようだな」
「え、」
「消毒する」
「と、透也さ…ッ!」
すると透也さんはその跡に吸い付き、ねっとりと舌を這わせてきた。
突然の事に驚いて反応してしまったけど、この展開はマズいと本能的に分かり慌てて止めようと体を押し返す。
「と、透也さんストップ!!」
「ダメだ、他にも刺されてるかも知れないだろう…隅々まで確かめる」
「えぇ?!ホント待って…そ、ソコだけですから!!」
「ほう、ここだけか。どういう事が詳しく聞きたいトコロだが…」
ギラギラとした紅い瞳に見つめられ…妙な悪寒が背筋を走る。
この目をする時の透也さんは、色んな意味で危険だ。
「それは後でじっくり聞く事にする…もう手加減なんてしてやらない」
強い意思を宿した視線。
有無を許さない空気感。
ダメだ、全く勝てる気がしない。
こういう事があまり分からないなりに初めては甘い雰囲気が良い、なんて頭の端で思ってたのに…あの跡のお陰でそれは叶わなそうだ。
それから俺が、透也さんの激しい情熱を全身で受け止めるのに必死だったのはまた別のお話。
-story end-
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