1.精霊使い

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「それで? どうするの?  あっと、その前にどうして私の正体が解ったのかしら?」 「それは簡単だ。  髪が銀色だし、盗みの技術に長けている。そんな奴はそうそういないからな」 「ふぅん。馬鹿でもないし、情報もあるってわけね」 「一応褒め言葉として受け取っておくよ」 「ほ、褒めてないわよ!」  さてと。  実際のところ、どうするか。今の攻撃だけで術者の場所の特定をすることは出来ない。  まずは入学式を行う講堂の様子を確認すべきだな。 「それで実際の所、どうするんですか? 灯香」  白猫に姿を変化させているツクヨミが俺の肩に再び飛び乗ってきた。 「とりあえず入学式の会場に行こう 。  様子を見たいし、何よりセリの仲間もいるんだろ?」 「そうね。  悪くない提案だわ」  平静を装っているが、内心は心配で仕方ないのだろう。  現にもう歩き出そうとしてるし。 「待てセリ」 「なに? 早く行くわよ」 「仲間の心配は最もだが、警戒を怠るなよ」 「月宮の言う通りだセリ。油断は禁物だぞ」  どこかのファンタジー映画に出てきそうな妖精みたいな精霊は、羽を使い、宙に浮いている。  しかし顔は20代前半なのに達観した喋り方だ。ま、精霊は外見からじゃ年齢の判断は出来ないからな。
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