1.精霊使い

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「わかってるわよ。  あまり舐めないでくれる?  アルカナも月宮に味方しないでよ」 「だけどさっきの攻撃に気付かなかっただろ?」 「セリよ。仲間の助言は聞くべきだ。  先ほど月宮に助けてもらっていなければ、この大男と同じ運命を辿っていたぞ?」 「うぐ……それはわかっているわよ」 「まぁ、わかってるならいいさ」  その言葉を最後に講堂へ向かって歩き出す。 「あ、待ちなさい!」  俺を追って、セリとアルカナも付いてくる。 「なぁ、1つ訊きたいんだけど、どうして俺を狙ったんだ?」 「言わないわよ。今はただ一時的に手を組んでるだけなんだから」 「予想通りの反応だな。  どうせ“雪月花”の宝玉が狙いなんだろ? 」 「さあね」  否定も肯定もしないか。  まあまあの返答だな。 「ところでツクヨミ。  襲ってきた奴がどんな精霊を使役してるか、予想は出来るか?」 「式神使いですからね……  犬神、チェスとか。最悪、術者自身の能力の可能性もあります」 「ふむ。それは厄介だな。  もし術者自身の力の場合、相当な実力者だぞ」 「ふん。そんなの全然平気よ。  私の力とアルカナならどんな敵とも渡り合えるわ」 「そりゃ、ありがたい。  俺も守ってくれよ」 「当然ーー  じゃないわよ! どうして私があんたなんかを守らなくちゃいけないのよ!」 「信じてるから」 「なに勝手に信じてんの!?  馬鹿じゃない! あほ! 変態! 」  酷い言われようだ。
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