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「わかってるわよ。
あまり舐めないでくれる?
アルカナも月宮に味方しないでよ」
「だけどさっきの攻撃に気付かなかっただろ?」
「セリよ。仲間の助言は聞くべきだ。
先ほど月宮に助けてもらっていなければ、この大男と同じ運命を辿っていたぞ?」
「うぐ……それはわかっているわよ」
「まぁ、わかってるならいいさ」
その言葉を最後に講堂へ向かって歩き出す。
「あ、待ちなさい!」
俺を追って、セリとアルカナも付いてくる。
「なぁ、1つ訊きたいんだけど、どうして俺を狙ったんだ?」
「言わないわよ。今はただ一時的に手を組んでるだけなんだから」
「予想通りの反応だな。
どうせ“雪月花”の宝玉が狙いなんだろ? 」
「さあね」
否定も肯定もしないか。
まあまあの返答だな。
「ところでツクヨミ。
襲ってきた奴がどんな精霊を使役してるか、予想は出来るか?」
「式神使いですからね……
犬神、チェスとか。最悪、術者自身の能力の可能性もあります」
「ふむ。それは厄介だな。
もし術者自身の力の場合、相当な実力者だぞ」
「ふん。そんなの全然平気よ。
私の力とアルカナならどんな敵とも渡り合えるわ」
「そりゃ、ありがたい。
俺も守ってくれよ」
「当然ーー
じゃないわよ! どうして私があんたなんかを守らなくちゃいけないのよ!」
「信じてるから」
「なに勝手に信じてんの!?
馬鹿じゃない! あほ! 変態! 」
酷い言われようだ。
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