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辺りを警戒したまま進むが、特に妨害がないまま講堂の前へ。
ちなみに講堂は独立した建造物になっているのだ。
完全に泳がされてるな。その方が動きやすいからいいけど。
「いくらなんでも静かすぎるな」
「どういうこと?」
「普通は校長の話とかマイクで拡声するだろ? だから声が外まで聞こえてこないってのはおかしい」
「確かに言われてみれば……
足音1つしないし」
「ちょっと小窓から見てみるか。
無用心に入ると、いきなり攻撃される可能性があるし」
「そうね」
講堂の側面側に移動し、窓から中の様子を窺う。
「やっぱりか……」
「なに? どうし……た……の?」
中の様相はやっぱりと言うべきか、全員が気絶し、倒れていた。
先生方も1人残らずやられてるということは、即効性の睡眠ガスでも仕掛けてあるのか?
何にせよ、今中に入るのは危険だな。
「セリ、大丈夫か? 術者を探すぞ ?」
「瞳……愛……
許さないーー
許さない! 許さない!」
瞬間、怒りに任せた膨大な魔力の奔流がセリの身体から溢れ出す。
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