1.精霊使い

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「焼き払いなさい」 「了解」  アルカナが手にしてる杖の先端が炎のような赤に染まる。 「ちょっ! 辺り一体を灰にするきか!」 「うるさいわね。黙って見てなさい」 「『エレメンタルF・偽者への火葬』」  瞬間ーー  うねりを上げる赤い悪魔が前方180度に広がっていく。まるで絨毯を敷き詰めていくように。  逆巻く炎は森を焼き、式神を灰にし、なおも獲物を咀嚼するかのように周囲を飲み込んでいく。 「どうアルカナ?」 「半径100メートルに潜んでおった式神は燃やし尽くした。  索敵範囲を広げるか?」 「いえ。もう充分よ。  ありがとう」  セリがそう告げると、真っ赤に染まっていた杖の先端が透明に戻った。  同時に森を焼いていた炎が、まるで幻だったかのように消失。木は焼けるどころか、焦げてすらいない。 「どう。私の実力は?」  頼りないおっぱいを張り、自慢気に声をかけてくるセリ。  胸はもうちょっと頑張りましょうだな。
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