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「焼き払いなさい」
「了解」
アルカナが手にしてる杖の先端が炎のような赤に染まる。
「ちょっ! 辺り一体を灰にするきか!」
「うるさいわね。黙って見てなさい」
「『エレメンタルF・偽者への火葬』」
瞬間ーー
うねりを上げる赤い悪魔が前方180度に広がっていく。まるで絨毯を敷き詰めていくように。
逆巻く炎は森を焼き、式神を灰にし、なおも獲物を咀嚼するかのように周囲を飲み込んでいく。
「どうアルカナ?」
「半径100メートルに潜んでおった式神は燃やし尽くした。
索敵範囲を広げるか?」
「いえ。もう充分よ。
ありがとう」
セリがそう告げると、真っ赤に染まっていた杖の先端が透明に戻った。
同時に森を焼いていた炎が、まるで幻だったかのように消失。木は焼けるどころか、焦げてすらいない。
「どう。私の実力は?」
頼りないおっぱいを張り、自慢気に声をかけてくるセリ。
胸はもうちょっと頑張りましょうだな。
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