第1章 侵攻

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そして意識して目を見開くと、やはり胸に杭などなく代わりに槍が刺さっていた。 耳には金属のぶつかり合う音が入ってくる。 どうやら槍で貫いた相手は前線の隊長らしく、周りを鼓舞するように叫び、勢い良く槍を引き抜いた。 自分の右手には剣が握られている、咄嗟の反応で引き抜かれた槍を掴むと相手の引く力を利用して距離を詰め剣を薙いだ。 勢いが余ったのか、隊長の横に居た両脇の男達も同時に斬っていた。 後ろには仲間が倒れていた。 どうやら先程見た胸に杭が刺さっていたのは、一緒に最前列に立った仲間のようだ。 敵陣は隊長が一刀で斬られたことで動揺が拡がり陣形が崩れていく。
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