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琥珀色の瞳はめいっぱい見開いたまま、それでも今度は逆らうことなくそれを受け入れる。
軽く両肩を押さえていたシンデレラの両手が、ゆっくりとなだめるように髪や頬をなでる。
何度か軽くついばむように口づけてから、シンデレラはいったん顔を離した。
思ったとおり、処女のように何の反応も返ってこないキスだったが、それが何故かシンデレラはひどく嬉しかった。
下手に唇などを吸い返されては興ざめだ。
たったいま愛おしんだ唇を見つめながら、舌で自分の唇をぺろりと舐める。
いつの間にかうっとりと半分目を閉じていた彼は、それに気付いて顔を真っ赤にした。
「あ…」
相手に何か言う隙を与えずに、シンデレラは今度は深い深いキスを落とす。
逃がすつもりはこれっぽっちもなく、貪るような口づけで彼の唇を犯した。
顔の位置を何度も何度も入れ替え、いつの間にか相手にのしかかるようにその体を押さえつけている。
子供のように未成熟な華奢な線をしていながら、女性のとは違う身体。
明らかに貴族の血筋であろう筈なのに、情事にまったく疎いらしいこの反応。
たまらなかった。
いつしか口づけは激しくなり、シンデレラの指先は男の夜会服の衿もとからやわらかなスカーフを引き抜き、大きく開いた胸元から絹のシャツのボタンの間に手のひらをすべりこませていた。
「…ふっ…ふ…」
唇の端から漏れる熱い吐息は、そんな筈はないのに、まるでねだるようにさえ聞こえる。
形ばかりに抗う白い肌。
互いの荒い息遣い。
「っ…んっ…」
あまりになめらかで清潔な胸に手を這わせながら、シンデレラは、ちいさな乳首を指先で執拗に撫でさすり押し潰した。
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