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あのあと、いくつもの夜会や舞踏会、観劇に片っ端から出かけたが、彼に会ったことは一度もない。 最近では、領地にでも帰ってしまったのだろうと半分は諦めながらも、夜会や舞踏会に出れば自然に目が彼を捜してしまう。 そんな自分に気付いて苦笑することが多くなったシンデレラだった。 『まったく俺らしくもない』 思わず、ふける物思いも偽悪的な口調になる。
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