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「珠玉だけを手に入れても、無意味だ」奏多くんが言い放った「彼女の元を離れれば、それはただの石ころと同じ」
「つまり」飯島くんが艶然と微笑んだ「彼女ごと、手に入れろと」
緑の瞳が妖しく微笑んで、私は背筋を凍らせた。
「彼女を手に入れても、覇権など手中にはできない」
「え?」
飯島くんと長谷川先生は眉を顰めた。
「そんな筈は…」
「何年かけて探していたと」
「だから、間違って伝わっていると」
奏多くんは冷静だ。
「彼女の持つ珠玉は、巨大な力を持っているが、それは世界を治める力などではない、魔界の扉の鍵だ」
魔界…それはまた、壮大な話だ。
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