3.珠玉の事

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「珠玉だけを手に入れても、無意味だ」奏多くんが言い放った「彼女の元を離れれば、それはただの石ころと同じ」 「つまり」飯島くんが艶然と微笑んだ「彼女ごと、手に入れろと」 緑の瞳が妖しく微笑んで、私は背筋を凍らせた。 「彼女を手に入れても、覇権など手中にはできない」 「え?」 飯島くんと長谷川先生は眉を顰めた。 「そんな筈は…」 「何年かけて探していたと」 「だから、間違って伝わっていると」 奏多くんは冷静だ。 「彼女の持つ珠玉は、巨大な力を持っているが、それは世界を治める力などではない、魔界の扉の鍵だ」 魔界…それはまた、壮大な話だ。
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