2.翌日

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2.翌日

翌朝、飯島智久はまた教室で、取り巻きのようにいる男女と楽しげに喋っていた。 私はまた、入口で止まってしまう、後ろにいる拓人がどすんとぶつかってきた。 「んだよ、梨沙子、入れよ」 「あ、うん…」 そんな声が聞こえたのか、飯島くんがこちらに視線を向けた。 慌てて私は視線を外す。 ちょっと明らさま過ぎたのか、それに気付いて、彼は立ち上がってこちらに来た。 私は背の高い二人に挟まれた。拓人も178センチある。私が思わず後ずさると、背中が拓人に当たった。 飯島くんは身を屈めて、私の顔を覗き込むようにする。 「…もしかして、昨日の事、覚えてるの?」 言われて、私はコクコクと頭を縦に振った。 「…昨日の事おおお?」 後ろから低い声が聞こえた、見上げると拓人が飯島くんを睨みつけている。 「おかしいな」飯島くんは顎に指を当てて小首を傾げた、妙に色っぽかった「僕の魔法が効かないなんて?」 魔法?その言葉に気を取られていると、いきなり背後から抱き締められた。 「きゃ…っ」 思わず声を上げてしまった、拓人の腕が私のお腹の辺りを両腕で抱き締めていた、身長差から顔は私の真横にある、意図的ではないだろうけど、頬同士が当たる。 「昨日の事って、なんじゃい!」 その言葉は飯島くんに向けたものだ。 私は恥ずかしいやらなにやら…周囲のざわめきが判るからだ。 友達然としていた拓人が抱き締めているからだろうか、あるいはイケメン飯島くんが声を掛けたからだろうか。
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