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翌日、いつものように一緒に登校し、零と別れ新しい教室に入ると、一人と目が合った。
生徒会長...雪永 椿(ゆきなが つばき)。
俺と零の朝は早い。零はバスケ部の朝練がある。俺は誰もいない教室でぼーっとするのが好きだったんだけどな。
「おはよう...」
「おはよう、神崎くん」
「なんで俺の名前知ってるの...?」
「生徒会長たるもの全校生徒の名前くらい頭に入ってて当然だよ」
一見穏やかに見えるが目が笑っていない。...気がする。
なんだか掴めなくて怖い。
「さすが、生徒会長さまだね」
「はは、やだなあ、冗談だよ。いくら僕でも全校生徒の名前まで覚えられない。君、面白いね」
そう言ってカラカラと笑う。今度は本気で笑っているようだ。
やっぱりよくわからない。
「校内三大イケメン」
「へ?」
「僕と君と君の幼なじみくんは校内三大イケメンとやらなんだろう?」
「あ、ああ...なんかそう言われてるみたいだけど」
「面白いよね、校内三大イケメンなんて。」
「は、はあ...」
「まあつまり、いくら忙しい僕でも同じ校内三大イケメンなんて呼ばれてる君を知らない程じゃないってこと♪」
「ああ...生徒会長はいつも朝早いのか?」
「その生徒会長っていうのやめない?」
「じゃあその君っていうのもやめろよ。」
「わかった。神崎くん、でいいかな?」
「うむ、よろしい。」
「ふふっ...あ、いや、ごめんね。校内三大イケメンなんて呼ばれているから、どんな人かと思っていたけど、うん、案外普通だね。」
「...は?」
「いや、かっこつけてたりするのかななんて思ってたのだけど、案外話しやすかったものだから。気を悪くしたならごめんね。」
「いや、お前も校内三大イケメンじゃん。案外普通じゃん」
「...ぶっ!」
「?!」
「あはははは!!君、いや、神崎くん、ほんとに面白いね!」
「ツボがわからない...」
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