第1章

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ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ... 目覚ましの音で目を覚ます。 こめかみの辺りに冷たい感覚。 ああ、またか。 何度も何度も、同じ夢をみる。 懐かしいのに、どこか寂しくて。 小さい頃の記憶だと思う。 あたりは明るくて、暖かな風が髪をなでる。 俺の前には誰かがいて、ずっと俺に笑いかけているのだ。 でも、その誰かがわからなくて。 そして必ず、その誰かが口を開く。 「ーーーーー」 その言葉は何度同じ夢をみても聞こえない。
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