第1章

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「まだ調教前だそうですが、米国人ではないので足がつくことはないとの事です」 「……いいだろう。その運び屋から話を聞いてこい、ライアン」  あくまでやり取りはレスラーが行い自身はタッチしない。もし警察の手が及んでもレスラーが人身御供となり自分には届かない。無論レスラーも承知している。これまでずっとレスラーが主人のため玩具たちの仕入れや始末を手配してきた。 「今回ミスター・バルガンはこの少女のレンタル代金についてと、玩具の状態を確認したい、と申しておりまして。使いのロシア人…… 先に申し上げていた何でも屋が直接確認することを希望なさっております」 「そのロシア人は、信用できるのかね? 刑事ではないだろうな」 「その点は大丈夫です。これまでも何度か取引した男ですし、玩具の処分も難なくこなしています。警察関係者にもバレてはおりません。警察の内部協力者の保証済でございます」 「分かった。バルガスの顔も立てんといかん。彼とは公私とも重要な知人だからな」  ウェラーはそういうと、悦楽と興奮に満ちた微笑みを浮かべ、まるでそこに少女本人がいるかのようにいやらしい手つきでレスラーが示した画像を撫でた。  そこに映っていたのは、髪を金髪に、瞳をアイスブルーに変え、両手をテープで巻かれ拘束されたサクラの姿だった。
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