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期待が篭った浩哉の声に俺は我慢が出来なくなる。ローションをたっぷりと垂らして、申し訳程度に浩哉の熱い蕾の奥を指でほぐすと浩哉の太ももを掴んで、ぐうっと昂ぶる熱塊を打ち込んだ。
「ああっ! っあ、陵介!!」
恋焦がれた浩哉の声が俺の鼓膜を震わせる。今夜は声なんて我慢しなくてもいい。
それは浩哉も感じているようで、激しく俺に揺さぶられながらシロイルカの尻尾を強く握って嬌声を響かせた。俺もその声に合わせるように自分の唸りを被せた。ベッドの軋む音、繋がりあった結合部から響く水音とともに幾重にも絡まり合う、その奏でる音楽の中で、
「はうっ、あ、ぁぁぁ……、んんっ、あっ! りょうすけっ!」
浩哉が顎をあげて背中を仰け反らせる。高い喘ぎとともに浩哉の花茎から香る精液が迸りでると、ぎゅう、と絞められた浩哉のなかで俺の屹立も白濁を叩きつけた。
なかなか収まらない長い射精が終わる前に、粗く息を紡いだ浩哉の唇がまた俺に寄せられる。俺も浩哉の後ろ髪に指を差し込んで浩哉に激しいキスを繰り返し、またゆさゆさと動き出す。
その夜、俺と浩哉はいつまでも互いの熱を求めあった。
遠くで玄関のチャイムの音がする。一度はそれを無視したが、間隔をあけて三回ほど鳴らされたところでムクリと起き出した。
ぼけっ、とベッドの上で上体を起こすと四度目のチャイムの音。宅配や郵便にしてはやけにしつこいなと思いつつ、ベッドから抜け出ようとすると隣りの浩哉が俺の胴体にしがみついてきた。
夢じゃなかったな。
俺は枕元のぬいぐるみを掴んで「陵介?」と寝ぼけた声を出した浩哉の手にそれを手渡した。
「誰か来たみたいだ。浩哉はまだ眠っていていいよ」
軽く浩哉の額にキスをすると浩哉は満足げに喉を鳴らして、ぬいぐるみを抱え込んだ。
俺は昨夜、脱ぎ散らかした下着とスウェットをさっと身につけると、階段を下りながら五回目のチャイムに、はい、と大声で返事をした。
――せっかくの休みの朝に一体誰だよ。
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