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「何にしようかなー」
店員に渡された黒いメニューをパラパラとめくる。
飲み物だけでも迷ってしまう。
「今日はアタシのおごりだから、好きなもの頼みなさいよ」
「やった!」
喜びに拳を振り上げる。
「まず飲み物頼んじゃいましょ。決まった?」
「う~んと……よし決めた!」
その時、店員が二つの水入りグラスを持ってきた。
「注文いいですか?」
本宮君が言う。
「はい、どうぞ」
「モスコミュールを」
「私は、マルガリータで」
「かしこまりました」
注文を取った店員が去った後、本宮君に言った。
「今日は心行くまで飲もう!」
「心行くまでって……支払い、アタシなんだけど?」
「ゴメン、ゴメン」
「思いっきり棒読みね……。まあ、いいわ。ここのところ依頼が立て込んでて休みなしだったから」
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