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グラスとグラスの触れ合う小さな音が響く。
彼のグラスから、自分のそれを離すと、白いカクテルを半分ほど飲んだ。
「美味しい~」
「このお店はカクテルの種類が豊富だから、いろいろ頼んでみるといいわ」
「へぇ、そうなんだ。本宮君、結構、このお店来てるの?」
「ん……秀ちゃんと、たまにね」
秀ちゃんというのは、本宮君と仲のいい村岡 秀一という刑事のことだ。
さりげなく私達の依頼の手助けをしてくれたりと、お世話になっている。
「そう言えばさ、本宮君」
「なあに?」
「本宮君て、高校卒業の後は、どうしてたの?」
前に勤めていた会社をクビになって、本宮君の探偵事務所で働くことになり、久しぶりに彼と再会した。
それまで、お互いに連絡とか取っていなかったから、卒業してから今のように出会うまで、どうしていたのかを全く知らない。
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