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「きっといい大学行ったんだろうなぁ。本宮君、成績すごい良かったもんね!」
「……大学は行ってない」
「……え?」
意外な答えに、私は驚いた。
「大学行ってないって……じゃあ、専門学校とか?」
「まあ、そんなとこね」
本宮君はモスコミュールのグラスを傾ける。
「そうだったんだ……すごく意外だよ!だいたい、探偵になんてなってたのも、驚いたし」
「そういうアンタだって、今じゃ立派な探偵だけど?」
「ハハッ、まあ立派かどうかは分かんないけどね」
私は笑って返すと、残りのマルガリータを飲み干した。
「飲み物、追加する?」
「うん」
見ると、本宮君のグラスも空になっている。
私は、営業のお付き合いで飲んでいるうちに、どんどんお酒に強くなって、同じ営業の男性社員からすら「酒豪」と言われていた。
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