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出現位置の情報が誤っていた為に到着したのは明け方となってしまった
「おい、見ろ あれじゃないか」
幼体は殻を破って背中から成体へと変化をはじめていた
「遅かった、これでは我々の武器では殺す事が出来無い」
成体へと変化している姿は、白色から硬質化する緑色へと徐々に変化をはじめていた
「終った… 」
口々に呟き 天を仰ぐ集団の中から一人の男が完成体となる物に走りはじめた
「終わらせない 皆の、いや俺の産まれた子供達の為にも…」
変体途中の白い幼体は外殻が柔らかい為に一般的な銃器による殺傷は可能である
しかし、完全体になってしまうと戦車の砲弾ですら貫通する事が難しい強度となってしまう
更に羽音から発する振動波により近付く事すら困難になる
「まだ、間に合う 耐熱の換気を行う側紋ならまだ硬質化してないはず」
男は大きく羽を拡げはじめた物に走り寄った
「無理だ 逃げろ 死んでしまうぞ」
遠くから仲間の声が微かに聞こえてきた
「もう少しだ もう少し飛ばないでいてくれ」
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