0人が本棚に入れています
本棚に追加
物は羽ばたきをやめて静かに落下をはじめた
「落ちる この高さなら助からないな」
もがいていた物もやがて動くのをやめて落下に抗う事をやめた
「俺の命で、皆が助かるなら安いもんか
また来年も現れるんだろうな
数が少ないといいな
雪国は数が少ないと言ってたな
たしか国連は南極に設置してあるとか言ってたったっけ
寒ければいいんだなあ 」
男は登る朝日を見つめながら一言つぶやいた
『夏なんてこなけりゃいいのに…』
男は静かに息を引きとった
最初のコメントを投稿しよう!