実のところ

6/10
前へ
/53ページ
次へ
いなくてもいい……そんな考えがよぎる。 居なくても平気…… 「私は一体何のためにいるの?」 そう考えると、もうここにはいられなかった。 「もうやめてやる!」 それしか思いつかなかった。 逃げ帰るように、身の回りの物だけ詰めて、駅に向かった。 外の出ると、乳白色のもやがいたが、私の決心は揺らがなかった。 駅に着くと、もやが晴れていたが、誰も私のことなど、祭りに夢中で引き止める人はいなかった……
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加