実のところ

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旦那の須田学には恋人がいた。 結婚しているのに、恋人というのも変だから、愛人。 愛人って、愛している人と書くのよね。 彼にとって、一番愛しているのは愛人。 その通り、私はお飾りの妻。見栄えのいい…… 「浮気は男の甲斐性」 そんなことも知らないのと、鼻で笑った義母から言われて、 「取り戻したなら、子供を、後継ぎを産めばいい。 それで正妻は安泰なのよ」 子どもを産めば安泰なのか…… それすら、わからなかった。 でも……ひたすら愛がほしかった。
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