魔王地上へ

9/16
前へ
/204ページ
次へ
一月ほどたっただろうか、店を閉め食事をしているとルーカスが勝手に扉を開け入ってきた。 「おまえなぁ、来るなら来るで……」 「くそ親父は?」 「ぇ? あ、っと、大分前に来たが?」 「行き先知らないか?」 「んなもん知るか! にしても良く結界の中入ってこれたな」 「入れるようにしてあったんだろ?」 「私は結構お前を買ってるんだ。ちゃんと修行すればもっと強くなるというのに」 「してるって! で? そのあとも来てないのか?」 「来てない」と食べかけだった食事を再開する。 「なぁ、魔草がほしいんだが?」 「それもあってきた。あのクッソ親父が勝手に置き手紙残して出てったのは良いが、魔力を置いてかなかったんだよ。んで、王の席を狙うやつらが出てきて今大変なんだ。ついでに、魔草も魔力が行き届かないせいで殆ど生えてこなくなってる」 「なんだと? それは困る! お前の魔力は?」 「王座についたものでしか出来ないのは知ってるだろう?」 「そうだったな……」
/204ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2483人が本棚に入れています
本棚に追加