天界へ

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「まぁいい。行こう」 リアムを連れ扉をノックする。 が……返事はない。 煙突からは煙が上げっているので、勝手に扉を開ける。 「入るぞ」 そう言って中をみると、ぎょっとした目でこちらを見ている一人の老婆。 「勝手にはいるな!」 「返事をしなかったのはそっちだろう!」 「耳が遠くてねぇ……って王子まで!」 「私の事を知っていらっしゃるようで」 「知っているも何も、その昔にお世話をさせていただいておりました」と、素直に頭を垂れる。 「お聞きしたいことがあるのですが構いませんか?」 「はい。こちらへ」 通された部屋には質素な木のテーブルに、籠一杯の果物。暖炉には薪と吊るされたヤカンのみ。
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