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「______幻の洞窟か」
「その様なことを話しているのは聞いています」
「場所は?」
「姫様。これはただの噂だと思いますが……」
「いや、私も書庫で読んだ記憶はあるんだ。幻の薬の話もな」
「ですが……」
「何か知っているんだろう?」と顔色をうかがう。
嘘は言っていないようだが、まだ何か知っていそうな気がしてならない。
「まぁいい。リアム、これについては他言無用だ。
洞窟の事は極秘で調べてくれ。ばぁさん、知っていることはリアムに話してくれ」
「……時間をいただけますか?」
「いいだろう。それとな、その毛皮はやめておけ。
せっかくの紅茶が毛皮臭くなる」
そう言って指をパチンと鳴らし厚手の肩掛け数枚を出す。適当に寝室にも行き、毛布も置いてから戻る。
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