天界へ

22/42
前へ
/204ページ
次へ
いくら探しても埒があかないので、荷物を人間界へ送ってくれと頼み、姿を消す。行き先はばぁさんのところ…… 「ばぁさんいるか?」 「姫様?」 「遅い時間にすまんが……やはり話してはくれないか?本だけでは埒があかない」 「私が言えるのは、幻界の魔女と呼ばれるかたがいるとか……」 「聞いたことはある」 「場所は幻界の湖の近く。大木を家にしているとかいないとか。その方が詳しいのではないかと」 「あまり聞かないが、確かに湖はあるし大木もある。行ってみよう。」 「お待ちください! 今からいかれるのですか?」 「リアム」 急いできたのがわかるほど服が乱れている。几帳面なリアムにしては珍しい。 「連れてはいかんぞ。幻界だからな」 「わかっています。わかっていますが、いつもいきなり居なくなるのは止めてください」 「癖だ」
/204ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2479人が本棚に入れています
本棚に追加