天界へ

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おばぁさんが言っていた幻界の大木のすぐ近く。 周りは湖とは言っても見た感じの色は薄い紫色をしている。 元々、幻界自体綺麗な場所なのだが、境界線の方まで来ると色が濃い。 空も草原もすべてが。 城に近づくに連れて景色は華やかに変わっていくのだが、ここは思っていた以上に寂しい風景だ。 「ここって? 魔女さんのいるって言う?」 「そのようだ。が、気配がないな」 「なんで、姫は……リアムさんやルーカスさんに冷たいの? 僕はみんなが好きだよ?」 「冷たいわけではない。ただ、綻びができると言うことは、王の力が弱っている可能性もあるし、この間聞いただろう?魔界でのバカ王がいない間に玉座を狙っているって話」 「うん……」 「あー言ったことを考える連中は、大抵魔力の多いもので統率力のあるものが居るってことだ。放って置いてもいいんだが、幻界に迷惑だ。もちろん人間界にもな」 「ちゃんと考えてるんですねー」 「おまえなぁ……私だって考えはするさ。まぁ、今回は洞窟の方に興味がほとんどあるがな」
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