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冷たいサイダーを口にしつつ、横を向いて本田の顔を見たい気持ちを強く抑える。
「うれしいな。ここでこうして祝ってもらえて……」
グラス片手に、本田が独り言のように言う。
本田と話したい。
もっと。もっと。
でも、何を言えばいいのかわからなくて、焦りばかりが募る。
「いい記念になった……」
ひっそりと呟くように本田が言った。
「―――その後、おばあ様のお加減は?」
マスターが本田にたずねる。
「おかげさまですごくいいですよ。今じゃ毎日うるさくてかないません。おれの顔見るたび、早く行けー、早くアメリカ行って勉強しろーって、そればっかり」
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