人間終了

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…3日前… 8月 中学生である彼等は夏休みの真っ只中だった 仲のいい男女6人のグループ 学校ではそんな風に括られた彼等はもちろん夏休み中でも普段と変わる事はなくほぼ毎日のように顔を合わせていた 集合場所は誰が言った訳でもないが学校の近くにある『チェリー』という喫茶店 この日も例外なく6人はチェリーに集まっていた 普段通りのお喋りと 代わり映えのないメニューを各々口に運んでいると一人が声を上げる 「つーか今夏じゃん!」 幸一「どうしたエリー、そんな馬鹿みたいなこと叫んで?」 エリーと呼ばれた男子は鏡屋エリック まごうことなきハーフである ハーフだが産まれも育ちも日本なので英語なんて一切喋れない エリ「いやいやいや、中3の夏って一回だけだぜ!?」 幸一「だからお前は何が言いたいんだよ?」 エリ「もっとこう…海とか山とか川とか行こうよ!?」 「なかなか面倒臭い提案だな」 エリックの正面で緩やかに文句を垂れる彼女は羽鳥 円(はとり まどか) 幸一の幼馴染みで若干のスケバンである 「せっかくの夏休みだし、僕はいいと思うけどなぁ」 爽やかスマイルでエリックに賛同するのは佐田 鋼(さた はがね) 幸一と円の幼馴染みである 「私(わたくし)、アウトドアは少し苦手ですわ…虫とか」 真っ白な腕を擦りながら溜め息を吐く彼女は西城 麗香(さいじょう れいか) 超お金持ちらしい 「海…焼きソバ…焼きトウモロコシ……あっ、いえ、なんでもないです////」 食い意地が見え隠れする彼女は菊川 育乃(きくかわ いくの) このメンバーの中で唯一の2年生だ 以上の6人がいつものメンバーという事になっている
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