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「彼女は、知り合い?」
「学校は同じだけど、クラスが違う。連絡先も知らないから声をかけずらい」
「あー、うん。それは確かに」
俺が柳井君の立場でも状況は厳しい。
でも、このまま柳井君がなにもしないのは、違うとはっきり言える。
「俺から見て、二人が付き合うのはとてもお似合いでいいと思う」
断言した俺に、彼は驚きの表情を見せる。
「あくまで俺の勘だけど、外れたことないぞ」
更に押しの一手とばかりに付け加える。
小さな彼と彼女は、笑顔でうんうん頷いているから、断言してもいいのだろう。
小さな俺も笑って頷いてるから大丈夫、多分。
「俺が言えるのはこれくらい。後は、柳井君次第かな?」
俺らしくないお節介に、内心ドキドキがおさまらないし、勝手な言い分なのは十分わかっている。
もし、上手くいかなかったら、彼はどう思うだろうという不安はあった。
これ以上口を開けば、自分の後ろ向きなことばかり言いそうだから黙って柳井君の反応をうかがう。
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