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俺に話しがあって彼女本人から見えない場所まで移動してきたなら、ちゃんと戻れるか心配だった。
女の子はお願いします、と頭を下げて来たので小さな俺と一緒に服のポケットへ移動させる。
バッグを持って教室を出てゆっくり歩きながら、入り口前のロビーで降りると合図をしてきた。
ロビー端にある長椅子に座って、ポケットから女の子だけ手に乗せると椅子におろす。
元気よく飛んで降りると、俺を見上げて一礼した。
「気をつけてな」
小さく手を振れば、にかっと笑って頷くと勢いよく走り去って行く。
「おお、速い」
思わぬ帰り方にそのまま見送っていると、短距離選手さながらの速さで走り長椅子の端までいくと、思い切り踏み込んでジャンプした。
「えっ!」
予想外の行動に驚く俺の目の前で、飛んだ先の自販機の前でかがんで背中を向けている人の肩に、綺麗な着地をして見せた。
「すげえ」
思わず呟き立ち上がった俺の声が聞こえたのか、飲み物をとってこちらを振り向いた人物に口をつぐむ。
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