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「相変わらず速いなあ」
感心しつつ俺も鞄を持ち直して教室へ向かう。
柳井君との進展は聞けなかったが、小さな女の子の方が塾が終わった後を楽しみしているようだ。
クリスマス関連の服装からして、パーティーでもするのだろう。
ちょっぴり羨ましい気持ちを持ちつつ、コーヒーを手に教室にはいると、柳井君が手招きしてきた。
「おはよう、柳井君」
「おはよう、宗那君。あの、これと交換してもらっていい?」
挨拶も簡単に、俺が手に持っている飲み物と同じ飲み物の交換を提案してきた。
小さな柳井君は、温かいペットボトルに抱きつき頬をスリスリしていて、小さな俺も同じ事をしつつ呆れた表情で見ていた。
「もしかして、見てた?」
先程の自販機のことかと聞けば、彼は照れた表情をしつつ頷いた。
「いいよ。交換しよう」
差し出したペットボトルを交換すれば、少しぬるくなったコーヒーの蓋を開けて飲む。
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