その2 河田さんの場合

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彼の手にあるペットボトルの傍には、小さな彼がサンタクロースの服装でボトルを撫でていた。 塾の後の予定があるらしい。 いいなあ、と思って見ていれば、先生が入ってきたため席に着き準備を始める。 筆記道具とノートを机に出しつつ、周りに目をやれば、小さな彼らは色とりどりの服装になっている。 自分の予定を思い出し、小さくため息をついた。 ****** いつもより早い時間に塾が終わり、足早に教室を出る生徒たちの中、俺はゆっくりと帰る準備をしていた。 鞄に持ってきた物を入れて、室内を見まわせば自分ひとりだけ。 冷たくなったペットボトルをカラにして、机に座っていた小さな俺に目を向ければ、もう1人増えていた。 「いつの間に」 驚く俺に対して、笑って見上げてくるのは今朝会った小さい河田さん。 なぜここに、と考えていると、教室に近づいて来る足音に顔を上げれば、入口に河田さん本人が現れた。
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