0人が本棚に入れています
本棚に追加
男の子も同じ動作をして見せ、困った表情をしていた。
「まだ、気持ちをお互い伝えてない?」
二人の仕草を見て、思ったことを言えば揃って頷く。
え、こんなにお似合いなのに? 言ってないから、両思いになってるの知らないのか?
驚く俺の前で、二人は手を繋ぎ頭を下げる。
小さな俺は、両手をあわせこちらを見上げてくる。
これまでの彼らの行動を思い返して、なにをお願いしたいのかわかった瞬間、俺は頭を抱えたくなった。
「いや、ムリムリ。人付き合い苦手な俺が、他人の恋愛成就を成功させるとか。無茶苦茶だぞ」
見ている分にはいいが、関わるのはありえない。
消極的な俺に、小さい俺は携帯を持つ手を勢いよく蹴り上げた。
見た目に対して感じる強い痛みに、手握力が弱まり携帯を机から落としてしまった。
「お前なあ、いい加減にしろよ」
お互いに睨み合っていると、男の子が間にはいって来た。
交互に俺たちに向き合い頭を下げる彼に、俺はゆるく首を振る。
最初のコメントを投稿しよう!