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「アラヤダ、バレた?」
「お蕎麦だけ?
今から何か軽く食べる?」
「いいわね」
「鶏の酒蒸し」
「作ってくれるの?」
「食べたい」
「なんだ、作ってくれって話?」
クスクスと笑って、華の手を取る。
その手はさっき指をからめた手とは違うけれど、どちらも温かな熱を宿していた。
「いいわよ。作ってあげる」
「ほんとっ!?」
キラキラと瞳を輝かせて、華の足取りが早く早くと私をせかす。
いつもの温もりの中にさっき感じたドキドキを溶かして、私は『日常』へ帰っていった。
《 END 》
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