華知らぬ暁、灰色の子犬

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 そう言って甘えるように見上げれば、華の口元がへにょっと曲がった。  嬉しいような嬉しくないような、でもやっぱり嬉しいといった表情。  そんな華が可愛くて、ますますぎゅむぎゅむしてしまう。 「なっこ、苦しい」 「いいじゃない。  私達、相思相愛なんだから」  そう、私達は相思相愛。  たとえお互いに別々の大切な人ができたとしても、この気持ちがなくなってしまうことはないから。 「なっこは、お蕎麦?」  クンクンと華を利かせた華が鋭く見抜いてくる。
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