華知らぬ暁、灰色の子犬

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「適ってはいません。  まだマシだと思っただけです」  佐藤司狼。  私の大切な幼馴染の上司にして、彼女の憧れの君。  他課所属の私から見ても有能だと分かる男。  寄り付こうとするムシどもから無防備な華を守り続けてきた私としては、腹立たしい存在であることこの上ない。  ケチョンケチョンにしてやらないのは、ひとえに華が佐藤課長につたない恋をしているからだ。  面白くなくっても、幼馴染の恋は応援すべきものだって分かっている。  それに、歴代のムシどもに比べれば、佐藤課長はまだまだ誠実だ。  華に取り入ろうとして華を怖がらせたり、傷付けたりしようとしない。  だから、ディナーくらい許してやるかと思ったのだ。  全っ然!  面白くないんだけどねっ!!
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