第一章 シャマイン

11/63
720人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
『第一天 シャマイン  主は青き星のはるか上に座し、地に住む者を虫けらのように見られた。天を幕のようにひろげ、住むべき天幕のように張った。一番目の天国の誕生である。  ある日、心貧しき廣瀬征士郎は天国に迷い込んだ。  一番目の天国には揺れるケモノが住んでいた。  そのケモノはこう問うた。 「汝は人から奪うことをどう思う?」  廣瀬はこう応えた。 「人から奪って何が悪い?」  次の瞬間、廣瀬の頭は宙を舞っていた。ケモノが鋭い爪で切り刻んだのだ。  ケモノはこう言った。 「汝に天国は不釣り合いだ」  作 : 殉教者』
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!