第一章 シャマイン

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「それで白羽の矢が? 警護しろってことか」  熊野御堂は苦虫を噛み殺したような顔をした。 「白羽の矢は悪い意味だけれどね……。本来なら警備第二課の仕事なんだろうけれど、この時期は人手が足りないらしい。かといって人を出さないわけにもいかない。何せ懇意にしているから」 「それこそ柳原にさせれば良いのに。ブイブイ男め」 「柳原もきっとどこかで警備しているよ。警備第二課からも一名だけ出せるらしいから柳原かもしれないけれど」  春が人差し指を顎にあてながら呟いた。 「二名体制か」 「一名よりはやる気を感じさせるだろう?」  と、熊野御堂。 「まあ、それなりにね。それでいつから警護の予定?」
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