第一章 シャマイン

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「へえ、そうなんだ。殉教者っていうのは信仰のために命を失った人のことだったっけ?」 「確か」  と、熊野御堂は頷く。 「じゃあ、これは死者からの物語か……。気取っている感じ」 「そう?」 「うん。ブイブイ言っているね」  春がそう言いながらタブレット端末の画像を捲っていく。 「そんなにどんどん捲らない方が……」  熊野御堂は保存されている画像を思い出す。女性が見ない方が良い、と判断できるものだった。 「うわっ。何、これ?」  春が目を細めている。
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