私はその花びらのじゅうたんの上に転がり、夢を見ていた。

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「ねえ、どういうこと?」 もっと暁と話がしたい。6年間離れていた間の事、手術の事、病気のこと、おばさんとおじさんのこと。 そして6年間の私と颯太の事も。 なのに、意味がないなんて言ってほしくなかった。 「俺は、百花が心配で来たのは本当だが、颯太と三人の夢物語に付き合うつもりはない。そんなままごとみたいな」 「ままごとじゃないよ。颯太だって、暁が居なくなった6年頑張ってたんだよ! なんで見ようとしないの?」 兄弟なのに。 あんなに三人仲が良かったのに。 どうして夢物語なんて酷い言葉で関係を壊そうとするの。 目の前が真っ暗になった気分だ。 綺麗に星が輝く夜空から、星を全て摘んで真っ暗になったような気分。 「お前、俺と颯太ならどっちを選ぶ?」
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